東日本大震災のお見舞い
2011/04/07
東日本大震災のお見舞い 社団法人国際観光施設協会
この度の東北関東大震災のマグニチュード9という大変な災害に見舞われたことを、心よりお見舞いを申し上げます。
通常は余震がおさまると、直ちに生活の復旧・復興が始まります。しかし福島原発を含めて、この災害の規模が未曽有のものであった為に、未だ発災の最中であり、そうした事態に、今まさに皆様が闘っておられる事を各地の観光事業者様やTV報道で知らされています。
この未曾有の大震災から、いかに皆さまの地域を蘇えらせるのかと言う課題は、決して皆様だけの問題ではなく、日本そして日本人全体の課題であり、1945年の敗戦復興につぐ大事業です。
ご存じのとおり、私たちの国際観光施設協会は、観光にかかわる様々な専門技術者の集まる公益団体です。
改めて考えるに、人の観光行動とは、遺伝子に潜在している過去の記憶を呼び覚ます旅である事は、良く知られています。よって観光施設だけが観光対象のみならず、その地域の自然と語り合い、時には闘いつつ育まれた暮らしの結実と健康で生き生きとした農林水産空間があるからこそ、その懐かしさや温かさが人々に伝えられ、多くの感動を呼ぶのです。従って観光地の再建とは、実に地域そのものの再建なくしてはあり得ません。
我々はそうした観点から、皆様のお役にたちたいと心から願っております。
さて、被災状況が判明した3月15日に当協会の常務理事会の席上、皆様に如何にお役にたてる活動をするべきかの議論が交わされました。
1 被災地域全体をカバーできる『復興特区』を設定し、既存の法体系や規制に関わりなくこの地域の復興を、県そして基礎自治体と協議しつつ、地域主体としつつも国の強力なバックアップのもと迅速な復旧・復興活動ができる体制を整える。
2 道路や鉄道などの社会基盤と共に生活インフラ、そして何よりもこの地域の農林水産業が活力を取り戻せる事に配慮した、個性的なまちづくりを前提とした総合的復興計画つまりマスタープランを、国土計画的観点から策定する。
3 策定されたマスタープランの実現、つまり速やかな復旧と復興を図るために、例えば、かつて阪神淡路の復旧・復興の経験が深い「都市再生機構」等を活用出来るよう、法を改正しバラバラで無い統合的事業推進者を置く。
4 そのマスタープランには、人々が地域の自然と共生した暮らしを営める農林水産業の再建、とりわけ地域固有の生活文化を継承し海とともに生きる沿岸漁業の再建に力点を置くべきであり、そうした産業の復興こそが、後背地の農林空間と相乗し、個性的で美しい景観を取り戻すことにつながり個性ある魅力的な観光地の再構築を果たす。
と言った意見が議論されました。
当協会は、被災地域の皆様、とりわけ多くの観光事業者の皆様と共に手を携えて、一刻も早くこうした方向が実現されるよう協働を前提に、最大の努力をすることを決意した次第です。
皆さまの地域が早急に発災から解放され、一刻も早く復旧そして復興へと進展が図られ、東北関東の太平洋沿岸地域に、世界が注目し、日本の信用力を増すような、日本の新しい未来を示す災いのみならず、多くの恵みをもたらす自然と共生した、美しい地域が再生される大事業への槌音が、聞こえるようになることを願います。
私たちは観光領域に対し、高い技術力と経験をもつ公益的な団体として、皆さまの地域の再生に尽くす協同体として力を尽くす所存です。恐れることなく、前に進みましょう。
一刻も早くこの災害から美しく再生することをお祈り申しあげます。
(社)国際観光施設協会
会長 中山庚一郎
副会長 涌井史郎、山方茂利、森 一朗
常務理事 横山孝治、鈴木 裕、伊藤 肇、兼平 慎、立石博巳